「嫌」は、たいてい特定の、名前のつけられる欠落に対しては大きすぎる語です。大きく感じるのは、その欠落が長く続いていて、ひとつのものとして見えなくなっているからです。だから最初の作業は、辞めるかどうかを決めることではありません。名詞を見つけることです。
だいたい何が起きているか
仕事の種類が自分のものではない。 つくりたいのに整えている、調べたいのに説得している。一日が違う動詞で埋まっている。これは鈍く一定の重さを生み、決して晴れないので「嫌い」と呼ばれます。上司が替わっても給料が上がっても動きません。
大事にしているものが飢えている。 自分にとっていちばん効く一点を除けば、すべて問題ない職場。伸びない場所での成長。手順を見せろと言う人の下での自律。誰の役に立っているか言えない仕事。自分でその価値観を名指しできないことのほうが普通で、代わりに無意味さとして感じられます。
一人。 上司か、同僚か、取引先か。ほかは全部大丈夫なのに、一つの関係が一日を汚染する。仕事そのものが嫌いなのだと最も誤解されやすく、最も自然に終わりやすい —— 人は異動します —— 種類でもあります。
燃え尽き。 仕事だけでないなら —— 週末も灰色で、好きだったものが平らで、寝ても取れない疲れがあるなら —— 職場は問題の全部ではありません。空のまま辞めても入りません。
「人間関係」という語を割る
離職理由の調査で「人間関係」が常に上位に出るのは、日本語のこの語が広すぎるからでもあります。一語の中に、性格の相性、指示の出し方、評価の納得感、そして違法行為までが入っています。 割らないまま辞めると、次の職場でも同じ語を使うことになります。
割り方は、対応が変わる線で割るのが実用的です。
(1) 合わない。 速い人と慎重な人、口頭の人と文書の人。これは相性で、伝え方の型の問題として扱えます。相手を変えずに形式を変えるだけで、驚くほど減ることがあります。
(2) 業務として不当。 評価の根拠が示されない、必要な情報が回ってこない、無理な期限が常態化している。これは相性ではなく、業務の設計の問題で、記録を取って上位に上げる筋のものです。
(3) ハラスメント。 厚労省の令和5年度の実態調査では、過去三年にパワハラを受けたと答えた労働者は19.3%でした。五人に一人です。 ここに当たるなら、相性の話として自分の受け止め方を直そうとするのは、いちばん高くつく間違いです。日時と発言を残すことが最初の行動で、我慢の量を増やすことではありません。
今夜できること
- 名詞を見つける。 「自分が本当に耐えられないのは____だ」を一語で埋める。段落になるなら、まだ見つかっていません。
- 週末を確かめる。 週末まで灰色なら、これは燃え尽きの側で、決断は休んだあとです。
- 一人が原因なら、その人が何をするかを具体的に書く。 型は上に上げられますが、感情は上げられません。辞める判断の前に、動かせる人に一度だけ、はっきり伝える。
何によって変わるか
四つのどれかによって、すべてが変わります。種類の不一致なら別の仕事、価値観の飢えなら別の雇い主、一人なら会話か時間、燃え尽きなら休息。価値観の検査は二つめをかなりの精度で言い当てます —— 自分が何のために働いているかを名指しして、いまの職場がそれを渡しうるのかを見せてくれます。