一晩たって全部静まって、どちらもまだ何も言っていません。コーヒーが淹れられます。次の一時間のどこかに、あの話をもう一度開けられる窓があって、そして思いつく文のほとんどは、喧嘩をやり直すか、埋めてしまうかのどちらかです。
この切り出しの部分を、ほとんど誰も準備しません。 証拠のほうは、そこで結果の大半が決まると言っているのに。
3分
対立の会話のうち、六年後の転帰を予測するのに足りた長さ
124組
その研究に参加した新婚夫婦
21分
一年間に書いた合計時間。結婚の質の低下が止まった
74件
要求と撤退のメタ分析に入った研究数
最初の三分が、会話のほとんどである
キャレールとゴットマンが1999年に出した結果です。新婚夫婦124組に、続いている意見の相違について十五分話してもらい、その情動を三分ずつ五区間で符号化し、六年追いました。十七組が離婚しています。
その十七組は、最初の三分から区別がついていました。 のちに別れた夫婦は、続いた夫婦より明らかに否定的な情動が多く、肯定的な情動が少ない状態で会話に入っていて、妻の側では最初の三分の予測力が残り十二分の予測力に劣りませんでした。
この研究は日本語圏でも紹介されていて、たいてい「三分で離婚がわかる」という形で流通します。その読み方は間違っています。 124組、一か所、そして符号化されているのは何が言われたかではなく会話にどう入ったかです。占いではありません。示されているのはもっと狭く、もっと使えることです。切り出しの温度は会話の前置きではなく、会話のかなりの部分そのものである。
だから翌朝が見た目より重要になります。ここでの切り出しは、最初のときのように熱の中から出てくるのではなく、止まった状態から、選んで出されるからです。
日本語には、もう一度開くための中立な動詞がない
ここが日本語で書くときに足さないといけない部分です。
英語には reopen という中立語があります。一度終わった話にもう一度触る、それだけを指す語で、良いも悪いも含んでいません。日本語で同じ行為を指す既成の動詞は蒸し返すで、これは最初から非難です。もう終わったことを、わざわざ、また。
つまり翌朝に切り出そうとする人は、語彙のレベルですでに不利な位置にいます。 行為に名前をつけようとした瞬間、その名前が行為を裁いている。しかも相手の側にも同じ語があるので、切り出された側は自分の反応を「蒸し返された」として即座に整理できます。
これは小さな問題ではありません。中立な動詞がない行為は、中立な形で実行しにくいからです。英語版のこの記事は切り出しの温度だけを扱えば足りますが、日本語版の課題はもう一段前にあります。蒸し返しに聞こえない開き方をどう作るか。
やり方は一つしかないと思います。開くときに、相手の側の議題を持ち出さないこと。 蒸し返しという語が本当に指しているのは、相手の落ち度をもう一度並べ直す行為です。自分の側について何か一つ言うところから始まった会話は、同じ語では呼ばれにくい。動詞を変えられないなら、動詞が当たらない場所から入るしかありません。
水に流す、と、流したことにする
もう一つ、日本語が持っていて英語が持っていない選択肢があります。水に流す。
英語版はこの選択肢を単なる回避として書いています。日本語ではそう書けません。これは徳の名前を持っているからです。こだわらない、引きずらない、根に持たない。実際、その通りに機能する場面はあります。小さな一件で、どちらも本当に手放していて、翌週まったく思い出さないなら、それは片づいたということです。
見分ける目印は一つで、二週間後です。 本当に流れたものは戻ってきません。流したことにしたものは、まったく関係のない話題にくっついて戻ってきます。「そういえば前も」で始まる文が出た時点で、その一件は流れていなかったということです。
| 言われる文 | 本当に訊いていること | たいてい返ってくるもの |
|---|---|---|
| 昨日のことなんだけど | まだ続いているのか | 身構え。解決可能ではなく未解決として枠づけられたから |
| 昨日はごめん、もう終わりにしよう | この居心地の悪さを今すぐ終わらせられるか | 同意。そして三週間後に同じ喧嘩 |
| 何も言わず、普通のトーン | なかったことにできるか | 安堵。そして誰も紙には書いていない一覧への追加 |
| 昨日の自分の言い方、考えてた | こちらから先に出ていいか | ほとんどの場合、同じ形の返事 |
四行目だけが、何かを求める前に何かを差し出しています。機序はそこで、丁寧さではありません。 上の三つはどれも、相手が先に一歩譲ることを必要としていて、それは朝八時に誰もしない動きです。
言い回しそのものは重要ではありません。初めて問題を出すときの切り出しは、これとは別の仕事です。一度こじれた話をもう一度開くときには障害が一つ多い。二人とも、それがどう進むかをすでに知っています。
「昨日はごめん」が、実際にしていること
二行目の文には、日本語で特に名指しする価値があります。使用頻度が高いからです。
昨日はごめんは、たいてい謝罪ではありません。開閉のスイッチで、しかも閉じるほうに倒れています。 言った側はこれで開いたつもりでいますが、受け取った側にとっては、これ以上触らないという合図として届くことがかなりあります。謝られてしまうと、こちらからはもう何も出せません。
反射的に出る謝罪の機序については断れないのはなぜかのほうに書きました。翌朝の版で厄介なのは、それが場を収める行為として社会的に正しいことです。正しいので、誰もそれをやめたほうがいいと言いません。
修復と謝罪は、別の道具
この二つは絶えず混ざりますが、仕事が違います。
謝罪は過失についての主張です。一つの問いを閉じ、過失が争われている場合はもっと大きい問いを開きます。修復は温度を下げる一手で、誰かが何かを認めることを必要としません。 さっきのは思っていたよりきつい言い方になった、は修復です。あなたが正しくて私が間違っていた、は謝罪で、それは真実かもしれないし必要かもしれませんが、別の器具です。
まずい応酬を抜けられる二人を分けているのは、まずい応酬が少ないことではありません。片方が温度を下げる何かを差し出し、もう片方がそれを受け取ることです。そして受け取るほうが希少で、しかもほとんど話題になりません。まだ腹が立ったまま差し出されたものを受け取る、という動作を含むからでしょう。
オーヴァーオールとマクナルティの総説には、助言としてあまり出回らない発見が一つあります。歓迎されないからです。その場で心地よい伝え方、柔らかく受け入れる方の伝え方は、短期の満足度とは結びつきますが、たいてい何も変わりません。 直接的で否定的な感情を伴う伝え方は、その場では悪く感じられ、実際に解くべき問題がある関係では、時間をかけた改善とより多く結びついていました。優しくやることと直すことは、別の企画です。
追う側と退く側は、翌朝またすれ違う
要求と撤退は、夫婦研究でいちばん安定して測られている形です。シュロットらは74件の研究、14,255人を統合し、この型と個人・関係・コミュニケーションの悪い転帰との関連を .36 前後、中くらいの強さで見つけています。
翌日はこの型が自分を更新する場所です。片方は会話を終わらせたい。未解決のものが耐えがたいからです。もう片方はまず普通の一日がほしい。前の晩で手持ちを使い切ったからです。どちらの立場も理屈が通っています。 同時に実行されると、一つめは圧力として読まれ、二つめは拒絶として読まれ、どちらも始めると決めていない二回目の喧嘩が始まります。
構造的な解決は、喧嘩の最中に効くのと同じものを十二時間ずらしたものです。時刻を、口に出して、両方が合意する。 いつか話そう、では駄目です。追う側はそれを正しく「一生しない」と聞き取ります。朝食での待ち伏せも駄目です。効くのは、片方に出口を、もう片方に保証を、同時に渡しているからで、両方を満たす配置はこれ以外にありません。その瞬間そのものの版は相手が黙ってしまったとき何を言うかにあります。
効いた介入は、驚くほど小さかった
2013年にフィンケルらが走らせた研究は知っておく価値があります。120組を二年追い、半数には二年目のあいだに三回、直近のいちばん大きな意見の相違について、全員にとって最善を望む中立な第三者の視点から七分間書くよう求めました。
一年で合計二十一分です。両群とも一年目には結婚の質が下がりました。二年目、対照群は下がり続け、書いた群は下がりませんでした。しかも効果は喧嘩の頻度の変化ではなく、対立に伴う苦痛の減少を通って走っていました。
この二人組は喧嘩が減ったわけではありません。喧嘩によって苦しむ量が減り、そちらが損害を出していた変数だったということです。普通に提示される助言よりずっとロマンのない発見で、そして無作為化のデザインがついているのはこちらです。
翌朝への実用的な読みは、全員が日記をつけろということではありません。第三者の視点は会話が始まる前なら無料で手に入り、それを三十秒だけ取ることが、最初に出てくる一文を変えるということです。
最後に歓迎されないことを一つ。翌日に開くべきではない喧嘩もあります。 議題が議題ではなかった場合、その五回目は、うまい切り出しでも解けません。型には日曜の午後と別の会話が要ります。ただし個別の一件をうまく開くことが、型が利息を集めるのを止めているので、あの気まずい一時間には払うだけの価値があります。
開かれないまま夜まで残ったものがどこへ行くかは喧嘩のあと眠れない理由のほうに書きました。
Sources
- Carrère, S., Gottman, J. M. (1999). Predicting divorce among newlyweds from the first three minutes of a marital conflict discussion. Family Process, 38(3).
- Schrodt, P., Witt, P. L., Shimkowski, J. R. (2014). A meta-analytical review of the demand/withdraw pattern of interaction. Communication Monographs, 81(1).
- Finkel, E. J., Slotter, E. B., Luchies, L. B., Walton, G. M., Gross, J. J. (2013). A brief intervention to promote conflict reappraisal preserves marital quality over time. Psychological Science, 24(8).
- Overall, N. C., McNulty, J. K. (2017). What type of communication during conflict is beneficial for intimate relationships? Current Opinion in Psychology, 13.
- Gottman, J. M., Levenson, R. W. (2000). The timing of divorce: predicting when a couple will divorce over a 14-year period. Journal of Marriage and Family, 62(3).