日本の多くの職場では、席が固定で、異動まで年単位あり、昼も同じ場所にいます。逃げ場が構造的に少ない。 だから「一人だけ気に障る」は、英語圏の記事が想定するより高い頻度で、しかも長い期間続きます。それを性格の狭さとして自分に当てるのは、いちばん役に立たない読み方です。
だいたい何が起きているか
自分が守っている規則を、その人が破っている。 割り込まない、手柄を言わない、詰めてから出す。自分に課してきた規則を、相手が無傷で破っている。苛立ちの中身の半分は、規則を守っていることの報酬が出ていないという感覚です。相手を変えても、この部分は減りません。
ありふれた特性の、両端にいる。 几帳面さの高い側と低い側、外向性の高い側と低い側。どちらも正常範囲で、両端が同じ机の島にいると毎日ぶつかります。ビッグファイブが有用なのは、これを人格ではなく座標として見せるからです。
相手が必要なものを握っていて、こちらには何の義理もない。 情報、決裁、順番。権限の非対称があるところに、礼儀の非対称が重なると、苛立ちは一気に増えます。これは性格の話ではなく配置の話です。
誰かを思い出させる。 話し方、間の取り方、笑い方。その人が過去の誰かの代理を務めていることがあります。強度が状況に対して明らかに過大なときは、この線を疑う価値があります。
本当に振る舞いが悪く、気にしないよう説得されてきた。 「気にしすぎ」と言われ続けた結果、正確な観測を自分の欠点として扱うようになっている場合があります。周囲の複数が同じことを言うなら、それは感受性ではなく事実です。
今週やること
- 相手の行為を一つだけ、動詞で書く。 「無神経」ではなく「会議で他人の発言を最後まで聞かずに結論を言う」。動詞にできないなら、まだ扱える形になっていません。
- その行為を自分が禁じているかを確かめる。 禁じているなら、苛立ちの一部は自分の規則の維持費です。そこは相手を変えても返ってきません。
- 必要なやり取りだけ、形式を変える。 口頭で割り込まれるなら文書で渡す。順番を飛ばされるなら宛先を増やす。人ではなく経路を変える。
何によって変わるか
ビッグファイブの検査は、自分の位置を百分位で返します。これが効くのは、相手を評価するためではなく、苛立ちの一部が自分の位置の関数だと分かるからです。誠実性が上位一割にいる人にとって、中央値の人は本当に雑に見えます。それは幻覚ではありません。ただ、相手が壊れているという意味でもありません。
もうひとつ。相手を責める言葉が自分の内側で強くなりすぎるときは、恥と罪の項が扱っている別の回路が動いていることがあります。自分に厳しい規則を課している人ほど、他人の違反が重く見えるという対応関係は、かなり安定して観察されます。