エニアグラム

九つのタイプ、十八のウイング

エニアグラムが記述するのは行動ではなく動機です。何をするかではなく、なぜそれをするか。同じタイプの二人がまるで似ていないことがあるのは、そのためです。

三つのセンターは、気質ではなく、その下に置かれている感情でタイプをまとめたものです。ボディの三つは怒りと制御のまわりに、ハートの三つは恥とイメージのまわりに、ヘッドの三つは恐れと安全のまわりに組み立てられています。ただしハートの「恥」は訳語として注意が要ります。日本語の恥は世間体の側に寄っていて、人前で失敗することや体面が崩れることを指しますが、ここで言う恥は人目のない場所でも作動します。自分の値打ちそのものが条件つきだという疑いのことで、2はそれを与えることで、3は成果で、4は特別であることで覆おうとします。「恥ずかしい」より「自分には足りないものがある」と読んだほうが近い。

自分のタイプの見つけ方

説明文から選ばないでください。どのタイプもいくらかは本当に読めます。どれも、ごくふつうの人間の戦略の記述だからです。16タイプから来た人はとくに、「いちばん近いものを選ぶ」という探し方を持ち込みがちで、これがいちばんよく効く誤タイプの経路です。16タイプは行動の傾きを並べているので近いものを選べますが、エニアグラムは避けようとしているものを特定する体系なので、目印は「近い」ではなく「ひるむ」のほうです。九つの中核の恐れを並べて読むと、たいてい一つだけ、読み飛ばしたくなるものがあります。

二つ目の確認は、圧がかかったときの振る舞いです。タイプがいちばん見分けやすいのは最良のときではなく最悪のときで、戦略がそこでいちばん強く回っているからです。二つのタイプがどちらも当てはまって決められないなら、調子のいい週ではなく、ひどい週に何が起きたかを思い出してください。

三つ目は、この体系が測っているのは行動ではなく動機だということです。日本語圏のエニアグラムは企業研修と自己啓発の棚を通ってきたので、「九つに分類する道具」という枠で紹介されることが多く、この層がいちばん先に落ちます。しかし同じ振る舞いをする二人が違う番号であることは普通にありますし、研修で割り振られた番号は結果ではなく仮説です。自分で検算していない番号は、まだ自分のものになっていません。

ボディ(本能)センター · 怒り

ハート(感情)センター · 恥

ヘッド(思考)センター · 恐れ